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多職種連携情報共有システム
「バイタルリンク」

CASE STUDY
医療法人社団 すまいる
やまだホームケアクリニック(富山県富山市)
おれんじ訪問看護ステーション(富山県富山市)

患者さんのニーズに合わせた多職種連携チーム構築に活用される
「バイタルリンク」

多職種連携による地域医療を推進する医療法人社団 すまいる やまだホームケアクリニックは職種間の情報共有の手段として、帝人ファーマが販売する多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を導入した。導入の狙いとその効果、バイタルリンク活用による将来展望などを、理事長の山田 毅氏に聞いた。

多職種連携のキーとなるICTツールの活用

 医療法人社団 すまいる やまだホームケアクリニック(富山県富山市)は高齢者、認知症、末期がん、緩和ケア、その他の在宅医療も提供する総合的な医療を行う診療所だ。2014年の開院以来、地域の総合病院、訪問看護ステーション、薬局、高齢者向け施設、居宅介護支援事業所などと連携し、地域医療を推進している。

医療法人社団 すまいる
やまだホームケアクリニック
理事長 山田 毅氏

 理事長の山田 毅氏は現在の地域医療について次のように語る。
 「医療を提供する側も受ける側も情報が不足していることが大きな問題です。病院の医師は退院される患者さんについて在宅医療でどこまでのことができるかわからない。患者さん側も在宅でどのような医療やケアを受けられるのかわからない。そのため双方が大きな不安を抱えています。私たちの最大のミッションは医師、訪問看護師、ケアマネジャー、薬剤師、理学療法士、栄養士など多職種がチームとして総合的にケアを提供していくことで、情報不足を補完し、患者さんとそのご家族を支えていくことです」

 多職種連携においてキーとなるのは、いかに情報を集め、共有し、効率化を図っていくかという点だが、そのためにはICTツールの活用が欠かせない。山田氏は数社の製品を検討した結果、機能とコスト、堅固なセキュリティを備えていることから、帝人ファーマが販売する多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」の導入を決定し、2016年9月から運用を開始した。

患者さんごとの「オーダーメード医療」を実現

 現在は、やまだホームケアクリニックの約70の連携先のうち、その半数以上とバイタルリンクで情報を共有しているという。
 「多職種間で確実に効率的に必要な情報を共有でき、例えば画像添付で患部の写真を共有し、緊急性があるかないかの判断もすぐに下せます。ケアマネジャーなどと情報を共有することで、医療だけでなく介護からのアプローチも可能となり、食事など生活面からも患者さんの『活きる』をサポートすることができる。多職種がバイタルリンクを通して患者さんを中心にバーチャル空間で集まり、さまざまな意見を交換することで、患者さんのニーズに応えた『オーダーメード』の医療や介護を実現できます」と山田氏は話す。

医師や訪問看護師が入力したバイタルデータは一元管理され、その推移を多職種がグラフによって確認することができる。
医師や訪問看護師が入力したバイタルデータは一元管理され、その推移を多職種がグラフによって確認することができる。
連絡帳機能で患者のケア情報を多職種間で簡単に共有することができる。既読の有無がわかり、誰からの情報か一目で知ることができる
連絡帳機能で患者のケア情報を多職種間で簡単に共有することができる。既読の有無がわかり、誰からの情報か一目で知ることができる
(左から)ふる里の風 岩城実己広氏、ゆうきの輪 上原裕樹氏、おれんじ訪問看護ステーション 本田浩美氏・明和靖恵氏、はなの木薬局 松本裕樹氏。
(左から)ふる里の風 岩城実己広氏、ゆうきの輪 上原裕樹氏、おれんじ訪問看護ステーション 本田浩美氏・明和靖恵氏、はなの木薬局 松本裕樹氏。

 また、緩和ケアや看取りの際に刻々と変わる患者さんの状態を医師が把握し、医師の指示を訪問看護師や薬剤師が迅速に実行することが求められるような場面で、バイタルリンクは威力を発揮しているという。
 やまだホームケアクリニックに併設された「おれんじ訪問看護ステーション」の本田浩美氏は「バイタルリンクの連絡帳機能を使って書き込むことで、個別に連絡することなく事業所内と事業所外へ訪問中のスタッフや、連携先の多職種の方々で必要な情報を共有できます」と話す。

 また、同ステーションの明和靖恵氏は「訪問看護記録もバイタルリンクに記載した内容をコピー&ペーストできるので業務効率が向上しました。セキュリティがしっかりしているので安心して使うことができます」と感想を述べた。

情報伝達ルールを策定しニーズに合わせた多職種チーム構築

 山田氏はバイタルリンクを運用するにあたって、情報伝達のルールを定めた。“緊急”は電話で伝達、“準緊急”はバイタルリンクに「重要」として記載、“非緊急”はバイタルリンクに「重要」なしで記載する。そうすることで大量に集まる情報に優先順位をつけ、取捨選択し、業務効率の向上を実現することができた。

 
バイタルデータやちょっとした変化、気になる点など、スマートデバイスでいつでもどこでも入力できる。
バイタルデータやちょっとした変化、気になる点など、スマートデバイスでいつでもどこでも入力できる。

 「情報伝達ルールを、バイタルリンクで連携している約40の事業所で共有しています。そのため、患者さんの状態に応じて多職種チームをつくることができます。例えば、患者さんが悪化して訪問看護が必要になったとき、スムーズに訪問看護師さんが新たにチームに加わることができるようになりました。今後はバイタルリンクの活用を通して、病院の看護師と訪問看護師が結びつく看看連携、病院の薬剤師と在宅医療の薬剤師が結びつく薬薬連携、診療所同士が結びつく診診連携を推進したい。そうすることで切れ目のない医療を提供することができます。さらに広い地域でバイタルリンクが利用されることが、必要とされる事業所や施設、サービスを紹介し合うなど、在宅医療、地域包括ケアの質向上に役立つと考えています」と山田氏は締めくくった。

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