現在、加古川医師会で注力しているのがバイタルリンクのACPへの応用だ。任意のファイルを患者情報欄に保存できる機能を用い、患者の意向をまとめたACPシートを保存。多職種の方が必要な際にすぐにこのACPシートを確認し、患者さん本人の要望に沿った看取りを含む対応ができるように運用を進めている。
加古川地区(加古川市・稲美町・播磨町)では、在宅医療地域ネットワーク事業として、バイタルリンクをはじめ、在宅医療に対応している医療機関や介護サービスの問い合わせ・相談に応じる「在宅医療機能マップ・相談システム」を導入。さらに30年の歴史ある「加古川地域保健医療情報システム」も併用した端末を病院の地域医療連携室にも導入し、医師、多職種の方が積極的にこれら仕組みを活用し地区の地域包括ケア・ACPの推進に取り組んでいる。【図1】
※2. ACP(Advance Care Planning):治療や介護の内容を含むケア全体について、患者本人および家族と、医療、介護、福祉関係者の間で、将来患者本人の意思決定能力が低下する場合に備えて、対応のしかたをあらかじめ話し合い、決めておくこと。